「あなたの”ひとすくい”の水が、世界の”救い”になるかもしれない」
2021年度のテーマに挑戦していただいた方は、どれくらいいたのでしょうか?集まったサンプル総数は?そして”ミドリムシあり”だったサンプルの発表です!(2022年3月末時点)
2021年度は、18校の中高生の方、97組のご家族の方に参加いただきました(表1)。送っていただいたサンプル数は543。目標としていた500サンプルを超えました!
ミドリムシマップ(DB)への登録は、中高生81%、ご家族99%と多くの方にご協力いただきました。本当にありがとうございました!!
表1 2021年度サンプルデータ
参加枠 | 参加 申込組数 |
サンプル 到着組数 |
サンプル 数 |
DB登録率 |
中高生 | 18 | 11 | 190 | 81% |
ご家族 | 97 | 70 | 353 | 99% |
合計 | 115 | 81 | 543 | – |
お送りいただいたサンプルは、ミドリムシの増えやすい酸性培地で培養し、細胞増殖の確認されたものを単離、再度培養してミドリムシ株を得ました。各株の細胞がミドリムシなのか?中でも今回は、私たちが良く利用しているユーグレナ・グラシリス(E. gracilis)なのか?をDNA配列(ITS2というDNA部分)を読むことで決定しました。解析方法についてはこちらでも詳しく解説しています。
この解析方法で決定された”ミドリムシあり”のサンプルは全部で33でした!
図1左の系統樹は、ミドリムシありだった各株のDNA配列の特徴を枝分かれで表現しています。同じ枝先にあるサンプルはほとんど同じDNA配列だったものです。
枝先には「min21_採取された方のID-サンプル番号_採取場所_DNAタイプ」が表記されているので、ミドリムシありに自分のサンプルがあるかどうか探してみてくださいね。
今回は、北は北海道から南は鹿児島まで、広い地域でミドリムシ株を得られたことが特徴的です(図1右)。これらのミドリムシ株を使って、寒いもしくは暑い環境で育ちやすいミドリムシを見つけることができるかもしれません。これは、ミドリムシを屋外で大量培養できる場所を拡げることにつながります。
新型コロナウイルスにより移動の難しい昨今。様々なサンプルが得られたのは、ご協力いただいた皆様のおかげです。本当にありがとうございました!
みんなのミドリムシプロジェクトのサンプル採取は、2021年度を持ちまして終了予定です。今後は、全ミドリムシ株を使って、増殖や細胞成分の特徴を調べていきます。
プロジェクト開始からの3年間で得られた株のまとめは、次の機会に報告します。お楽しみに!