みんみど19-21のまとめ

2019年度に開始したみんなのミドリムシプロジェクト(みんみどPJ)。新しいミドリムシを求めて、日本中の皆さんに水をすくって送ってもらう市民参加型研究です。水サンプルの採取は、2021年度までの3年間おこないました。今回は、これまでに集まったサンプルの総まとめです!

みんみどPJに参加してくださった方々とサンプルの総数

表1 19-21年度みんみどPJのまとめ

実施年度 参加者 参加
申込数
サンプル
到着数
サンプル
2019 高校生 17校 13校 207
2020 家族 80組 58組 295
2021 中高生 18校 11校 190
家族 97組 70組 353
合計 学校 35校* 24校* 1045
家族 177組* 128組*

*毎年参加された学校やご家族がいるため、合計数に重複あり。

図1 サンプルの採取場所

表1にあるように、これまでの3年間でみんみどPJに参加いただいた学校は35校、家族は177組です(重複含む)。新型コロナウイルスの影響もあり、参加を申し込まれても残念ながら水の採取を行うことが出来なかった方々もいらっしゃいました。そんな中、24校の中高生の皆さんと128組のご家族の方々に水サンプルを送りいただきました。3年間で集まったサンプルの数は、1045!北は北海道から南は沖縄まで、日本中でサンプルを採取していただきました(図1)。

得られたミドリムシ株について

表2 ミドリムシ株とそのITS2配列について

実施年度 サンプル
ミドリムシ
あり
樹立株 ITS2配列
の種類
新しい
ITS2配列
2019 207 14 13 5 1
2020 295 31 34 15 6
2021 543 33 33 12 2
重複 14 2
合計 1045 78 80 18 7

※スマホの方は、横にスクロールしてご覧ください。

1045の採取いただいたサンプルのうち、ミドリムシ(今回はユーグレナ・グラシリス)が増えてきたミドリムシありサンプルは、78でした(表2)。単離して培養できたミドリムシの樹立株は、80!そして、同じユーグレナ・グラシリス種の中でもサブグループを識別するITS2配列は、18種類確認されました。つまり、ITS2というDNAの領域を見るだけでも18種類のミドリムシ株が得られたことになります。中でも、配列の違いに大小はありますが、今までに見つかっていない新しいITS2配列だったのは、7種類でした。

ITS2配列だけでミドリムシ株の特徴が決まるとは限りませんが、この新しいITS2配列を持ったミドリムシの中に、新しい機能を持ったミドリムシがいるかもしれません。

ミドリムシ株の由来

図2 ミドリムシ株の系統樹(ITS2)と由来の地域

最後に、得られたミドリムシ株をITS2配列の違いで並べたのが図2左の系統樹です。木のように並んだ枝先には、「min○○(年度)_採取された方のID-サンプル番号_採取場所_DNAタイプが表記されているので、ミドリムシありに自分のサンプルがあるのかどうか探してみてくださいね。また、ミドリムシ株の由来となった採取場所は、図2右の日本地図に緑色で示しています。北は北海道から南は鹿児島まで、幅広い地域に由来するミドリムシ株が得られました。この中に暑さ・寒さに強いなどといった特徴を持つ株がいるかどうか解析をしていきます。

また、由来する地域とDNA配列や細胞の特徴が関係するのか?関係しないのか?といった学術的なデータを得られるチャンスでもあります。水中で運動できるといっても、ミドリムシが日本中に自分で移動することは難しいです。日本のミドリムシは、どんな進化や分布をたどってきたのかを知る手掛かりになるかもしれません

以上が、2019年度から3年間で、ご協力いただいた方やお送りいただいたサンプル、得られたミドリムシ株についてです!人の移動が難しい現状で、日本中様々な場所に由来する多くのミドリムシ株が得られました。ひとえに皆様のおかげです。本当にありがとうございました!

今後は、新しい特徴を持つミドリムシ株がいるのか?由来地域との関係性はどうなのか?などを調べていきたいと思います。